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2020年の抱負|3DCAD推進者 土橋美博の連載コラム【#23】

2020年を迎えました。今年もよろしくお願いします。
私も、会社の一員として、抱負を考えてみました。

 

会社での私の重要なミッションのひとつは、3DCADの運用を推進することです。

3DCADを単なる設計のツールではなく、会社のインフラにすることが目標です。

前回のblogでは、3DCADのベンチマークについてお話しましたが、3DCADを比較する評価項目のひとつに、 部品表(BOM)作成機能 部品表の拡張性 があります。

実はこれがまだ理想的な形で出来ていません。

 

私の会社では、機械設計のメインの3DCADはiCAD-SXを使用しています。

理想的とはどんなことなのかは、この後のお話に続きますが、私が経験してきている中で、3DCAD導入でその成果を得られないひとつの要素としてあるのが、「2DCAD運用と同じ設計運用を行う」ということです。

 

導入目的が、「3DCADでは形状認識ができる・干渉チェックができるというようなツールの機能だけに注目する」となっていることがよくあります。

「全体的な業務フローを見直してみるということをしなかった」ということです。

 

3DCADは2DCADに比べ優れた機能がたくさんあります。
その機能を“きちんと”運用するのであれば、その効果を得る高い可能性があります。

一方、2DCAD設計を行っていた際に、その業務フローで不具合を感じたことはなかったでしょうか?

2DCADで装置設計をする時、組立図(組図)から線を引き始めることが、設計の始まりでした。

2DCADの運用経験が長くなると、繰り返す使用する購入品や標準的な部品、ネジ穴などの製図、転用可能なサブアセンブリを新規設計時に使用したくなります。

そこで、これらを2DCADのメニューから挿入(ロード)できるようにしたり、パーツやアセンブリ・サブアセンブリをレイヤー(英:layer)化とレイヤー表示をしたりと工夫をしました。多くの設計者が、このような運用をしてきたことでしょう。

 

2DCAD上では、これらのパーツ(購入品含む)やサブアセンブリの部品番号や型式やメーカといった情報を、一行のテキストの情報として持つことができましたが、組立図から得られる情報は多くはなく、

  • 組立図中の部品番号(バルーン・風船)
  • 部品番号や組立図に記載された部品表欄に記載された購入品のメーカー名・型式 
  • 組立図に記載された部品表欄にある部品数

という程度のものでした。

これらの情報はそれぞれの会社の2DCADの図面上の運用ルールによって異なりますが、共通して言えることは、 テキストの情報に過ぎない ということです。

 

2DCADを運用していた(している)時こんな経験はないでしょうか。

  • 組立図から部品図の製図を行う時に、組立図設計者に聞いて、材質・表面処理・
    熱処理といった情報を聞かなければならない
  • 組立図中に記載されている購入品の型式が間違っていた
  • 部品数を間違ってしまった
  • 部品図が改訂されていなかった
  • 最新の部品図・組立図がわからない(改訂履歴がわからない)

これらは、製図作業の問題とは異なり、 設計作業・設計フローの問題 と言えます。

一人の設計環境から大人数の設計環境に至るまで、共通的な内容でしょう。

この対応をしないで、2DCADを3DCADに入れ替えたとしても、「設計作業・設計フローの問題をからその課題を見つけ対応することをしなれば、その問題は残り続けてしまいます」

 

3DCADは特徴のひとつとして、
「モデルの形状(Geometry)以外に複数の属性情報を持つことができます」

どのような属性情報をどれだけ持つことができるのかは、3DCADによって異なりますが、モデリングの履歴を持つタイプ、持たないタイプに関わらず、この機能はあるはずです。

 

「この属性情報が、設計作業・設計フローの改善に役立つだけではなく、3DCAD(3Dデータ)が社内のインフラになり得る可能性があります」
(このインフラについては別の機会にお話します。)

 私は今この属性情報を活かせる仕組みを構築しています。

その始まりとして、「モデルの属性情報から理想的に部品表を作る」
これが最初のゴールです。

これができないと、3DCADでモデリングしているだけとも言えるくらい重要性を感じています。

 

2DCADではレイヤー構成を作ったとしても、アセンブリやサブアセンブリ、パーツは2次元空間上で1階層(フラット)に存在していました。

 

3DCADではどうでしょうか。

少々わかりにくいので、ミスミ inCAD Library からダウンロードしたユニットを編集したものを参考に、その構成をツリービューから説明します。

図1.ミスミ inCAD LibraryよりiCAD-SX(V7L5)にインポートしたモデル

 

図2.iCAD-SX(V7L5)上のツリービュー(インポートモデルから編集済み)

私は、このようにPLATEやBALL‗SCREW、MOTORといったように機能別のサブアセンブリを作成することが3DCADでは理想的だと考えます。

さらに、iCAD-SXの場合は、 内部パーツ 外部パーツ という構成するパーツの考え方があります。

ここでは、0825_201_PLATE1 と 0825_201_PLATE2 が外部パーツになっています。

iCAD-SXを運用している設計者の皆さんにとってはでは当たり前のことかもしれませんが、内部パーツ・外部パーツとは以下のようなものです。

図3.iCAD-SXの内部パーツ・外部パーツ

0825_201_PLATE1 と 0825_201_PLATE2は加工部品として外部パーツとしました。

他の部品は、ミスミの購入品とネジ関連の副資材のため、内部パーツにしています。

これらの購入品や副資材もライブラリとして管理するのであれば、ライブラリのフォルダによって管理することもできるので、外部パーツになります。

このように 内部パーツであっても、外部パーツであっても、

[TOPアセンブリ] ー [サブアセンブリ] ー [パーツ] というように

「機能別、階層化されたモデルを構築する(どのような構成にするのか)」

ということを、3DCAD導入時に考えることができたのかどうかが需要です。

 

ここが3Dモデル構築の起点になって、階層化された部品(パーツ)や組立図(アセンブリ・サブアセンブリ)には属性情報が付加されていきます。

これによって、3Dモデルデータから2D図面設計時に属性情報が連携し、2D図面に入力可能となります。

また、部品表を作成時もこれらの属性情報が入力可能となります。
階層化されていたとしても、最下層のパーツまで漏れなく拾い出すことが必要となります。

なお、iCAD-SXでは、アセンブリを設計(部パーツ)してから 切り出し という外部パーツ化していく手法が標準的に、まず初めに紹介されます。この方法は、私としては、2DCAD的な手法(感覚)と私は考えますが、最終的に階層化を行うことはできるので、階層化構成と属性の持ち方には、外部パーツからモデルを構築する方法も、内部パーツから始める設計もその違いはないとも言えます。

(※iCAD-SXの特性上、外部パーツを保存する場所はその検索範囲があることから考慮する必要はあります。)

「この部品表情報には何が必要となるのでしょう?」

3DCADでもお話しましたが、

図4.パーツの属性情報

このような属性情報が一例として部品表作成には必要です。InCAD Library のモデルには次のような部品リストがあります。これらの情報がパーツの属性情報であり、アセンブリの属性情報になります。

図5.inCAD Liblary 備品リスト(CSVファイル)からの抜粋

  • 必要とされる属性情報を持つ
  • 属性情報を部品表に出力する

 

「そんなの、当たり前でしょ」と思われるかもしれません。しかし・・・

  • 設計作業・設計フローの問題・課題
  • 3DCADの製品ごとの特性

 これらを、理解していないと、うまくいきません。

ちなみに、iCAD-SX(V7L5)のプロパティは次の図のように、 パーツ名コメントの二つです。

 

inCADコンポーネンツからインポートしたモデルを例にあげます。

iCAD-SX(V7L5)のプロパティには、パーツ名に購入品の型式が入ります。

この時の型式は FSLBS-SUD-T2-A20-B20-L20-H10-M3-V10-S10-MA3 でしたが、iCAD-SX(V7L5)では、パーツ名の文字数制限によって全ての型式は反映されませんでした。

補足:iCAD-SXでは、部品表作成時にパーツ付加情報より部品情報を設定することは可能です。

 

図6.inCADコンポーネンツからiCAD-SX(V7L5)へインポートとプロパティ

SOLIDWORKSではどうでしょうか。inCADコンポーネンツより同じモデルをインポートします。

図7.inCADコンポーネンツからSOLIDWORKS2019へインポートと
プロパティ ユーザー定義画面

プロパティの型式は全て記入されています。

3DCADの特性や機能を理解した上での属性運用を検討が必要であり、3DCADへのアドイン機能を提供するミスミさんとの議論も必要かもしれません。

100万部品の大規模な機械装置においても0.2秒で処理することが可能 なiCAD-SXを使いこなすためのミッションは続きます。

次回に続きます。お楽しみに。

 

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