皆さん、初めまして。

今回からmeviyブログのライターになりました土橋 美博です。

会社業務では、3DCAD推進者としての社内展開活動とCAEによる解析業務を担当していますが、その中ではたくさんの“理想と現実”を体験しています。

これまでの私の経験や私の考える3DCADのお話しすることで、皆さんのお役に立ちたいと思っていますので、皆さん、よろしくお願いします。

1、SOLIDWORKS WORLDとは?

今回のブログは、2月5日~7日に開催されたばかりのSOLIDWORKS WORLD 2018のレポートをします。
といっても、「何、それ?」というかたもいるかもしれませんね。

 

日本でも秋に、SOLIDWORKS WORLD JAPAN(以下SWWJ)が毎年開催されています。皆さんの中にも、こちらに参加されたかたもいることでしょう。SOLIDWORKS WORLD(以下SWW)はこのUSA版で、開催規模とその情報量はびっくりするほど違います。

 

SWWは三日間開催され、世界各国、全米各地から、ユーザー・販売会社・代理店・3D関連製品企業・ハードウェアベンダー・SOLIDWORKS社社員といったようなソリッドワークスコミュニティーが一同に集まります。参加者数の公式発表はまだ聞いていないのですが、事前情報では、5000人を超えるソリッドワークスコミュニティーメンバーが参加すると紹介がありました。この数字からもその“すごさ”を感じてもらえるでしょう。

 

SWWは今回20回目の開催で、昨年に続きLos Angelsのダウンタウン、一番活気のあるL.A. Liveに位置するLos Angeles Convention Centerで開催されました。

 

土橋1-1AAL.A. Live

私も昨年に続き6回目の参加です。

 

なんで6回も参加しているのかというと、SWWは、3DCADから始まる世界、過去~現在~近い将来~未来とそのロードマップを見ることができます。これはもはや一企業のイベントというよりは3DCADそのものの動向を知ることができる場所です。最新の技術情報と動向を得ることは、3DCAD推進者であり、ひとりのエンジニアとしてもとても重要なことです。

 

もうひとつは、熱狂的なソリッドワークスコミュニティーがそこに集まるからです。もはや私もその一人になりました。その人たちとの交流は、自分のスキルも伸ばしてくれることと同時に、その世界を広げてくれます。

2、SOLIDWORKS WORLD 2018

土橋1-3AAGENERAL SESSION会場 開場前

さてSWWの内容です。毎日、AM8:30~GENERAL SESSIONがあります。
まず初めて参加される人が驚かされるのは、開場前と開場の瞬間です。開場前には聴講者からのコールが始まり大盛り上がり、開場の瞬間、皆さん走って一番前の席を取ろうとします。後方の席から埋まる日本とはその様子は全然違います。

 

土橋1-4AAGENERAL SESSION開始直前

今回のSWWでは、“THINK  SOLIDWORKS”がテーマで、3日間それぞれのテーマがありました。全部をお伝えすることはできないので、まずは、ソリッドワークスとして発信された概要をお話しします。

 

1日目 THINK: FUTURE 未来

ダッソーシステムズ ソリッドワークスCEOのジャン・パウロ・バッシ(Gian Paolo Bassi)氏、ダッソーシステムズ取締役会副会長兼最高経営責任者のベルナール・シャーレス(Bernard Charles)氏、ダッソーシステムズ ソリッドワークス製品ポートフォリオ管理部門シニア ディレクター兼ブランド ユーザー エクスペリエンス リーダー 副社長のキショア・ボヤラクントラ(Kishore Boyalakuntla)氏よりお話しがあります。

 

日本国内では、その製品の企業講演となると会社の規模のお話や、CMが多く見られ、その話を聞くこちら側も、何となく“飽きてしまいがち”ですが、今回のSWWにおいてはそうではありません。企業の考える3DCADやデジタルエンジニアリングの動向・ロードマップ、更に詳細な技術情報を聞くことができます。このお話は3DCADが“単なるツール”ではないことを強く訴え、印象付けられます。

 

また、ショーアップされた演出は、聞く側を飽きさせることは全くありません。聴講者が一番前の席に座りたくなるのもよくわかります。私も前の方で見ていました。

2日目 THINK: INNOVATION 技術革新

前日登壇のキショア氏よりソリッドワークスと連携するIoTソリューションのお話しがありました。日本でも盛り上がるIoTの活用についてその詳細に触れています。

 

簡単に言えば、3DCADを利用し、そこにセンサを設定、センサより得たい情報を可視化された画面によって設定できるというものです。ここには回路設計用の3DCADツールも連携し、メカニカルな3DCADが“単なるツール”ではなく、IoTの“リソース”であることが明確にわかります。

3日目 THINK: NEXT is NOW 現在

実は初日より、ソリッドワークスの次期バージョンSW2019の“チラ見せ”がありました。この機能は“実装されるかもしれない”という機能で、開発は更に進み、今夏のベータプログラムによってユーザー評価が行われます。

 

このユーザー評価ですが、“バグ出し”ではありません。ユーザーの使用環境やデータ構成によって発生する問題を解決すると共に、ユーザーの意図というものを反映することが可能です。

 

実は私もベータテスターとしてこれまで参加しています。3日目はこの“チラ見せ”のまとめを見ることができました。3DCADとしては成熟しているとは思うものの、新たな機能の追加もまたうれしいものです。

4、3日間を振り返って

3日間を通して、様々な場面でのソリッドワークスを使用している人たちのお話しや、新しい技術のお話を、ユーザーや教育関係者より聞くことができます。

 

渋滞緩和も目指す新たな交通システム開発、超音速旅客機の開発設計とそれにより実現する世界、障害者支援を行う義足のようなロボット開発、エンターテイメントの事例としてアトラクションでの活用の話もあり、また近くにハリウッドもあることから映画の中でのモデリング活用などと、これもまた盛りだくさんです。

 

ゼネラルセッションの後は、総数200を超えるセッションが3日間開催されます。私も構造解析(CAE)、やモデルベースドデザイン(MBD)、GD&T(幾何公差設計法)、Tips(便利機能紹介)といったセッションに毎日参加しました。全てのセッションは英語になるのですが、画像を見ながらの説明を聞くので、理解しやすくて、ほとんど問題ありません。

5、展示会

土橋1-5AAMISUMI USA

また展示会会場があって、盛りだくさんの3DCAD関連製品を見ることができます。
こちらには、MISUMI USAのブースがあったので、訪問してきました。

ここでは、RAPiD Designの紹介が行われ、多くのユーザーがいましたよ。
3DCADとサプライチェーンを繋ぐシステムというのは重要なのですね。この話次回に続けたいと思います。

 

今回のSWWも、会場試験を受けたり、夜のパーティーなどなど、ご紹介しきれないほど、内容盛りだくさんの内容でした。何かの機会に皆さんにもっとご紹介できればと思います。来年はミスミさん、SWWに招待してくれないかな。。。ね!!

 

(土橋 美博/3DCAD推進者)